品性くれ

まず音楽が本当に素晴らしいです特にエンドロール。マジで。

すごく静かな映画なので脳のリソースを全部取られず、常に考える余地があるのが私的に結構新感覚で面白かったです。言語化できる余白があるというか、それを許されているような感じ

きっとヴィム・ヴェンダースも鮮やかで繊細な感受性や温度のある想いを持っている人なんだろうな

 

1日目、わたしには役所広司(平山)が完璧な人間に思えてなりませんでした。てゆーか最後まで、慈しむ行為において役所広司が最も相応しい人だとおもった。。ただのトイレ掃除のおじさんなのにね。品性ってこれかー!とめちゃくちゃ思いました。箒の音で目覚める、起きて窓の外を横目で見る、神社の鳥居でお辞儀をする、1日を反芻した夢を見る。無口な主人公だけど植物を見つめる幸せな眼差しをこちらが察することができるって、役所広司!ヤバ!演技うま!わら

 

どうしてお爺さんお婆さんになると手が震えるんでしょうか。感覚神経が麻痺していくのでしょうか。早く年老いて手が震えて、全てのものに優しく触れられる人間になりたい。

わたしはティーンエイジへの執着に囚われの身ですが、そんな風になれるのなら早くお婆ちゃんになりたいとか少し思いました 普段あんなに化粧水とか塗りたくってんのに丸い背中や前に出た首を決して醜いとは思えなかった

 

柄本時生は最悪でしたねマジで。なんも考えてねーバカ。すげー嫌いなタイプです。こういう奴がいるから私は「なんでも幸せになれるなら僕のとくべつ取らないで」って言わなくちゃいけないんだよ!と憤慨モノでした まあ役所がいいならいいけどね!!

この靖子ちゃんの歌詞、揶揄ってくる奴にお前に言ってるんだよと言いたい

 

毎日少しずつ自転を繰り返す世界の周りでスカイツリーが背後や目前にある変わらない環境、その中にも必ずある時に綻びであり時にユーモアやかがやきである時間の流れ、ずっと今のままではいられない、という歌、ちょー生きてるって感じしますね

 

まあ私は服買いたいし髪染めたいしおいしいお菓子でお茶したいしてかそもそも品とかセンスとか満たされることとかが足りなすぎてあんな暮らし出来ませんけどねー! それはそれ 今は今 今度は今度ってこと!

という感じです すごく素敵な映画だと思う、みんなも是非見てみてねー 役所マジナイス!